世界中に描かれる巨大な壁画、海外グラフィティ・ストリートアート

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Banksyが世界的に有名になったことで、日本でもようやくストリートアートなるものが一般的にも認知され始めた。2000年以降世界中で多くのアーティスト達が台頭してきた事を思えば、日本にはストリートアートが少なすぎると思う。というか、そもそも日本文化や社会の特性上、ストリートアートを芸術とみなすことは不可能なのかもしれない。

それはさておき、世界のストリートアート事情は凄まじい。日本ではBanksyばかりが有名になっているが、世界には凄まじい路上の芸術家が数多くいる。そんなストリートアーティスト達の中から、今回は僕が特に好きなアーティスト達をピックアップしてみた。

世界中に巨大な壁画を描くストリートアーティスト達

Roa

ストリートアーティストROAの壁画-1

Image Source:wikipedia

ベルギーのアーティストROAは、とにかくスケールもインパクトも大きな作品を描く。モチーフの多くは動物、もしくは動物の頭蓋骨や骨など、いつも一目でROAの作品だとわかる。子供の頃は考古学者や冒険家にあこがれていたというRoa、現在の作風にもその辺の感性が強く表れていると思う。

ロンドン、ニューヨーク、ベルリン、メキシコシティなど、数多くの都市に、すでに100以上の巨大な壁画を描いている。

ストリートアーティストROAの壁画-2

Image Source:wikipedia

ストリートアーティストROAの壁画-3

Image Source:wikipedia

ストリートアーティストROAの壁画-4

Image Source:streetartnews

ストリートアーティストROAの壁画-5

Image Source:vegan.lv

ストリートアーティストROAの壁画-6

Image Source:vegan.lv

ストリートアーティストROAの壁画-7

Image Source:vegan.lv

ストリートアーティストROAの壁画-8

Image Source:vegan.lv

http://roaweb.tumblr.com/

INTI

ストリートアーティストINTIの壁画-1

Image Source:blog.vandalog.com

チリ出身のINTIも大きな作品を描くアーティスト。こちらは作風もがらりと変わってカラフル。インカ帝国など、古代南米文化の神秘がモチーフである事が多い一方で、キリスト教をテーマにしたような作品も多い。南米の歴史そのものをストリートアートで表現しているのかもしれない。

ストリートアーティストINTIの壁画-2

Image Source:Visual Therapy

ストリートアーティストINTIの壁画-3

Image Source:Visual Therapy

ストリートアーティストINTIの壁画-4

Image Source:mashkulture.net

https://www.instagram.com/inti_cl/

Miss Van

ストリートからアートギャラリーまで、広い範囲で活動するMiss Van。一貫した世界観で描かれる女性ならではの作品は全て一目で彼女のものと分かるような強烈な個性を持っている。Miss Vanのオフィシャルサイトでは1993年から現在に至るまでの作品を見る事ができる

ストリートアーティストMissVan-2

Image Source:streetartnews.jp

ストリートアーティストMissVan-4

Image Source:bleaq.com

ストリートアーティストMissVan-3

Image Source:bleaq.com

ストリートアーティストMissVan-5

Image Source:bleaq.com

http://missvan.com/

Victor Ash

Ash名義のグラフィティライターとしても活動しているフランスのアーティストVictor Ash。活動歴は長く、80年代の前半にまでさかのぼる。近年は巨大な壁画を描くことが多く、上の写真はベルリンに描かれたアポロ11号の宇宙飛行士。

ストリートアーティストVictor Ashの壁画-3

Image Source:streetarthub.com

http://www.victorash.net/

Jef aerosol

ストリートアーティストVictor Ashの壁画-1

Image Source:unurth.com

Jef aerosolも1980年代より活動しているフランス人アーティスト。ステンシルを用いた作品が多く、時に巨大なアートを描き出す。上の写真はパリのポンピドゥー・センター近くに描かれたサルバドール・ダリ。

ストリートアーティストJef Aerosolの壁画-2

Image Source:arrestedmotion.com

ストリートアーティストJef Aerosolの壁画-3

Image Source:urbanitewebzine.com

http://www.jefaerosol.com/

Vhils

ストリートアーティストvhils-1

Image Source:unurth.com

今回取り上げたアーティスト達の中では異色の存在なVhilsは、ポルトガル人のアーティストAlexandre Fartoによるプロジェクト。作品自体は一人ではなく数人のチームで制作されるようだ。Vhilsの作品は廃墟などの壁をコンクリートブレーカーと呼ばれる道具で削って制作される。その制作の様子は工事現場さながらだ。

ストリートアーティストvhils-2

Image Source:loicchollier.fr

ストリートアーティストvhils-3

Image Source:unurth.com

http://vhils.com/

JR

JR アーティスト-1

Image Source:triggerpit.com

日本のワタリウム美術館でのエキシビジョンも記憶に新しいJRはフランス出身のフォトグラファー。写真を巨大なストリートアートとして表現するという発想はJRが初めてじゃないだろうか。それにしてもスケールが大きい。政治的な意味合いの作品も多く、ブラジルのスラム街やパレスチナの壁などにも多くの作品を残している。

JR アーティスト-2

Image Source:arteide.org

JR アーティスト-3

Image Source:unurth.com

JR アーティスト-4

Image Source:thevandallist.com

http://www.jr-art.net/

DAleast

ストリートアーティストDaleastの壁画-1

Image Source:daleast.com

中国出身のアーティストDAleast。巨大かつ非常に繊細な作品を描き、そのモチーフはほとんどの場合が動物だ。繊細ながらも力強い作品の壁画を世界中に出現させており、その多くはオフィシャルサイトで見る事ができる。

http://www.daleast.com/

Shepard Fairey

obeyのデザイナーとしても知られるShepard Fairey。アートスクールを卒業後、自身の活動の場をストリートへ求め、アンドレ・ザ・ジャイアントの顔を描いたデザインポスターをひたすらに貼り続けるという新手の手法で有名になった。その後の彼の活躍はオバマ大統領の選挙ポスターのデザイナーとして抜擢されるなど、世界にその名が知れ渡るほどになった。Banksyの盟友としても知られている。

一見ナチスのプロパガンダポスターのような配色とタッチで描かれる作品は、世界の平和や人権を力強く訴えたものが多く、見る者の心を揺さぶる。

shepard-fairey2

Image Source:wikipedia

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Image Source:hudsonreporter.com

https://obeygiant.com/

Aryz

aryz1

Image Source:aryz.es

スペイン出身のアーティスト、Aryz。スプレーとペイントローラーを用いて描き出される巨大な壁画はディテールに富んでいる。人をモチーフにした作品以外にも様々な動物やキャラクターを描いていて、そのスタイルは時に奇抜。ヨーロッパ各地にだけでなくインドなどにも壁画を描くなど精力的に活動している。

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Image Source:NoClue

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Image Source:sixand5.com

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Image Source:aryz.es

http://www.aryz.es/

世界のストリートアートの今

冒頭でも述べたが、日本にはストリートアートやグラフィティが少なすぎる。ObeyのShepard Faireyが作品の中で MAKE ART NOT WAR と訴え続けているように、アートやグラフィティなどの自己表現は人種や言語を超えてポジティブな精神を共有する手段となるし、実際のところそんなこと言われなくても人間なら皆わかっている。

かつて日本にも唯一のグラフィティエリアが横浜の桜木町に存在したが、土地開発の名目で全て取り壊されてしまった。多くの素晴らしい作品が失われたのは言うまでもない。そんな事をしている間に世界では新しい時代のアーティストたちが次々に現れ国境を越えて活躍するようになった。そしてこれは自己満足の領域を超えて大きな経済効果を生み出すようなシーンへと成長しつつあるし、ObeyやBanksyを例にとれば既にそうなっている。

一度生活してみればわかるが、路上にアートが溢れかえる街というのは楽しい。街からエネルギーをもらう事が出来るし、街で暮らす人々の思考がとてもクリエイティブだ。そしてそんな街からは新しい時代のアーティストたちが今も誕生し続けている。